ラブ×コントロール


すると、肌寒くなってきて私は両腕をさする。


「…寒いか?」


「あっ、ちょっと」


「……」


するとカイは自分が着ていた体操服の上着を黙って私の肩にかけて、私の方を向かずそばに座った。


「ありがと…」


不覚にもドキッとしてしまったのは、上着をかけてくれた事だけじゃなくて…。


ちっ…近い気がする。


薄暗くて少し見えないけど、人がいるかどうかぐらいは…分かる。


また、上着かけてもらったな。


「あっ、でもカイはいいの?ピッチャーって肩冷やしちゃいけないんでしょ?」


「あ~大丈夫平気だっ、だから着てろっ…」


「あっ…うん」


そう言うと、何故か沈黙になってしまった。


なんで黙るの…?


そう思ってうつむいてると、


「俺…おまえに見ててほしいんだ」



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