テストプレイ
Episode1.
「お父さん、ただい「雛乃!見てくれ!」


学校から帰った私の言葉を遮るように迎えたのは『自称』天才博士のお父さん。

天才って言ってるだけで、訳のわからない変なものばかり作ってるようにしか見えないんだけど、それを言うと発明品一つ一つを説明してくるからもう言わないようにしてる。


「はいはい。で、今回は何作ったの?
また全自動目覚ましとか?」


全自動目覚まし…それは起きてから家を出るまで全自動でロボットがやってくれる…という画期的アイテムになるはずだったものだ。
実際はロボットにもみくちゃにされて終わったんだけどね…


「今回はお前も驚くぞ!!
父さん最大の自信作だ!!!さぁ、こっちに来い!」


お父さんが何かを呼ぶと、研究室から一人の男の子が出てきてお父さんの隣りに立った。年齢は私と同じくらいに見える。

うわぁ…すごく綺麗な人…
透明感のある肌にぱっちりとした大きな瞳、鼻筋も通っていて、唇はぷっくりとしたかたちのいい唇をしている。
彼は愛らしい顔つきの筈なのにそう見えない。
…表情がない。そう、無表情なんだ…
でも、それが彼のミステリアスな雰囲気を際立たせているのかもしれない。


「彼こそ私最大の自信作!人型アンドロイド試作品一号だ!
一号くんと呼び給え!」


…ネーミングセンスだっさ!何一号くんって。



「お父さん…それは可哀想だよ。
っていうかこの人どう見ても人間じゃん。
嘘は良くないよ、お父さん。」
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