不思議な眼鏡くん
帰りの電車の中、響がどことなく不機嫌なのがわかった。つないだ手は離さなかったが、ドアのところで窓の外をじっと見て、こちらを振り返らない。
理由は推測できる。きっと芝塚課長の前で手を振り払ったからだ。
五反田から私鉄に乗り換え五分。長い商店街で有名な駅に咲は住んでいる。会社からは四十分ほどの距離だ。
商店街で夕食の買い物をした。
「ん」
響は手を差し出し、無言で買い物袋を持ってくれる。でも相変わらず不機嫌。
陽は落ち始め、長い商店街のその先に、オレンジ色の夕日が沈んでいくのが見えた。
「ごめんね」
咲はたまらず謝った。
「なんで?」
まるで会社にいるかのような、無表情な声。
「だって」
咲は黙った。
そのまま二人歩く。商店街の途中で脇にそれ、坂を登る。しばらく歩くと単身用の小綺麗なアパートが右手に見えてきた。
「一階です」
咲はそう言って、道路に面して並ぶ一番左側のドアを開けた。
理由は推測できる。きっと芝塚課長の前で手を振り払ったからだ。
五反田から私鉄に乗り換え五分。長い商店街で有名な駅に咲は住んでいる。会社からは四十分ほどの距離だ。
商店街で夕食の買い物をした。
「ん」
響は手を差し出し、無言で買い物袋を持ってくれる。でも相変わらず不機嫌。
陽は落ち始め、長い商店街のその先に、オレンジ色の夕日が沈んでいくのが見えた。
「ごめんね」
咲はたまらず謝った。
「なんで?」
まるで会社にいるかのような、無表情な声。
「だって」
咲は黙った。
そのまま二人歩く。商店街の途中で脇にそれ、坂を登る。しばらく歩くと単身用の小綺麗なアパートが右手に見えてきた。
「一階です」
咲はそう言って、道路に面して並ぶ一番左側のドアを開けた。