島…君をレンタルしたいカナ
ふぅ…と息を吹き出し、肩を落として向き直る。

この雨、一体いつになったら止むのかなぁ。
駅までなら走って行ってもいいけど、ずぶ濡れてしまうのもヤダし……。


どんよりと雲の立ち込めた空を見上げながら、弱ったなぁ…と声を漏らした。

マコト君と別れてからこっち、全てがツイテないような気がする。
完全な被害妄想だけど、どうにもやりきれない。

だけど、いつまでも此処にも居られないし、濡れるの覚悟して走った方が早く帰れるかもな。


諦めて濡れることにしようと意を決し、手に持っていたハンドタオルを頭の上に乗せるつもりで広げた。


ドアが押し開けられたのはその時だ。
また誰かが出てきた…と思い振り返ってみると、そこにはあのメガネをかけた店長さんがいて。


「あの、良かったらコレ、使って下さい」


チェックの傘を差し出してきて、私の方に向ける。
こっちはいきなりな展開に声も出せず、ジッと差し出された傘の先ばかりを見た。


「この雨、当分止まないそうなんで」


そう言うとドアを押し広げて出てくる。
握ってた柄から手を離し、傘の部分を持って私の方に差し向け直した。


そこまでされてやっと我に返った。
オロオロとしながら彼を見て、それから傘を見つめた。



「あ、あの…」


なんと言っていいか迷う。
素直に受け取ればいいだけなんだけど。


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