嫌い、嫌い、好き。
「って、聞いてる?水原 (みずはら) ??」
北条があたしの顔を覗きこむ。
「聞いてたよ、くそどーでもいいノロケ話なら」
手元は素早く動かしながら、吐き捨てるようにして言う。
「くそって酷いな!!何か感想とかないの?」
「そうだね、敢えて言うならば…語彙力が “ヤバイ”」
「うっせーな!!それはほっとけ!!」
北条は口を尖らせながら負けじと言い返す。
「毎日毎日聞きあきたっての」
「俺は毎日言ってもいいたりないぐらいだけど」
北条は頬を赤く染めながら、どや顔をしてみせる。