嫌い、嫌い、好き。
嫌い、嫌い、嫌い。




“嫌い” と “好き”

は対のようでいて

実は紙一重なのかもしれない。






あたしは、北条彰(ほうじょう あきら)が大嫌いだ。





「いやー、ほんっと面白かったんだよなー」





誰かの気持ちに鈍感なところとか





「で、そんときも2人で笑って」





かと思えば周りの雰囲気はいち早く察するし





「もうもうヤバイくらいに超超可愛くてさ」





何かと気さくだし、優しいし





「ああー本当に良いよな」





くしゃっと笑ったときの笑顔とか





「もうヤバイ!!本当にヤバイ!!」





あたしの気持ちに気づいてくれないところとか





「いやーホントに可愛いよな、真里花 (まりか) は」





楽しそうに、誇らしそうに彼女の話をするあんたが






──本当に大嫌いだ。



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