江戸女と未来からの訪問者
「サインは後で書く。お主からいただいた着物に着替えてもよいか?」

「はい」

「着物の着付けは時間が掛かる。その場で待っておれ」

「はい」

 それにしても、良い着物じゃ。

 なんとも肌触りが良いな。

 香りも良いではないか。

 名立たる職人が作ったに違いない。



「お待たせもうした」

「とても美しいです!」

「そうであるか、そうであるか。余は良い気分じゃ」

「あの……」

「何じゃ」

「着物を着る時は、下着を身に付けないと聞いたことがあるんですが、それは本当なんですか?」

 顔を赤らめておるではないか。

 私から目線を逸らしておる。

 うぶな殿方じゃ。

 母性本能をくすぐるのう。

「それは嘘じゃ。着物を着る時も、下着は身に付けておる」

「そうなんですか」

「なんなら、確かめてみるか」

「あ、はい」

 また顔を赤らめておる。

 本に、うぶな殿方じゃ。

 母性本能をくすぐるのう。
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