衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー


……あの後。

つまり、告白された後。



私の手を握り、今にもどこかに連れて行かんとする後藤副社長の手を思いっきり振り切って、カウンターに5千円置くと、逃げるようにBARを出ていった私。


追い掛けて来られると思って、我を忘れて必死に走った。

幸いその日は低いヒールだったから、転ばずに走る事が出来たわけで……。


とにかく走って、走って、たまたま見えたタクシーに大きく手を上げて、それで乗って。

行き先を告げてタクシーが走り出し、その時にようやく緊張から解放される。


強めのアルコールを飲んだ後に走ったから、一気に酔いが回るかと思っていたけれど、BARでの出来事があったからか全く酔わなかった。

むしろ一気に酔いが醒めて、冷静になってしまった。



まさか、後藤副社長が私の事を知っているとは思わなかった。

しかもあんなところで告白されるなんて。


ずっと好きだったって何!?

いつから私の事を知っていて、それで好きだったの?


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