衝撃的発言から始まる、シンデレラストーリー
また名前で呼ばれた。


"愛梨"なんて、名前で呼ばれるのなんて両親と今じゃ同性の友達しかいない。

そりゃ昔の彼氏には呼ばれていたけど、彼氏なんてもう何年もいないし、家族以外の異性に呼ばれるのはいつ振りなのかって考えるくらい。

だから、一気に身体が熱くなる。

汗がぶわっと噴き出ちゃうくらいに。


「な、だってそんな」

「だから覚悟しろって言ったろ?今日ここに来たのはその始まり。なあ?この狭い部屋は確かに居心地いいけど、やっぱりセキュリティ的なものが心配なんだ。どうだ?幸い俺のマンション、部屋空いてるんだ。一緒に住まないか?」


「はあっ!?」


「家賃はもちろんタダだ。光熱費もいらない。会社も近いし、最高の環境だぞ?」


なんでそうなる!!

家賃も光熱費もいらないってとても魅力だけど、だからって副社長と一緒に住むなんて……!


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