煙草?どっち?
ふぅーっ、また煙を吐き出すと課長は、灰皿で煙草をもみ消した。

灰皿には吸い殻が二本。

かなりご立腹なご様子。

「……なんで角倉くんだけダメなんですか」

ジト目で睨むと睨み返された。
小さく舌打ちすると、机の上に置きっぱなしだった箱から一本出して、火を付ける。

「ダメなもんはダメだ」

ふぅーっ、吐き出される煙。

煙草を持つ、細いけど関節の目立つ課長の指。
オールバックの髪。
リムレスの眼鏡。

「そんなんじゃ納得できません」

「うるさい」

横暴。
我が儘。
まるで子供。

「じゃあ、もう別れる」
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