煙草?どっち?
あ、ふくれっ面、ちょっと可愛い。

「で?どういうことなんですか?」

「……昔、君が、角倉がかっこいいなんて云ってたから」

いじけて俯いてしまった課長はかちかちとライターの火を付けたり消したりしているが。

眼鏡、溶けちゃわない?

「ただの一般論でしょ」

「でも、角倉も君のことを狙ってたし」

「ああそうですか」

知りませんよ、そんなこと。

「なんですか、昔ちょっとかっこいいって騒いでたからって、しかも以前私のことを狙ってた角倉くんと話したくらいで、私が角倉くんに乗り換えるとでも?
ずいぶん信頼されてないんですね」

「……信頼は、してる」

「してません」

俯いてしまった顔。
自分の都合が悪いといつもそう。
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