星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
書きたいこといっぱいあるけど、なるべくシンプルに。

なるべく丁寧に。



書いては消し、消しては書いて。

何度も何度も見直しして。

1時間もかかってようやくメールが出来上がる。



(♡とか使っていいかめっちゃ迷っちゃった…)



結局勇気がなくて使えなかったけど。



いつも揺花や友達との連絡はさらっとラインでやり取りするのが多かったけど、先生とはメールで良かったと思う。

時間は思いっ切り掛かったけれど、迷って、悩んで、先生のことだけ一心に思って書いたこの時間もなんだか愛おしい。



(返信…来るかなぁ…)



スマホが気になって気になって、もう勉強どころじゃない。

机に広げたテキストを見るともなくパラパラ捲る。



(先生、おうちに居るのかなぁ…)



溜め息は更に数を重ねる。

頬杖を突いて白い目覚まし時計に眼を遣る。

送信ボタンを押してから10分。



(もう1時間くらい経ったかと思ってた!)



スマホを覗き込む。



(先生読んでくれたかなぁ…)

やっぱりラインだったら既読が分かったのに…



スマホを手に取り、代わり映えのしないメール画面を何度も見る。
< 193 / 333 >

この作品をシェア

pagetop