星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
打ち上げは本当に少ししかなくて、あっと言う間に並べてしまう。

そこに宇都宮が

「もうこっち火付ける?」

と言ってやって来た。



私は宇都宮に

「私がやりますから。」

と言い、

「それより揺花。

あの子これでホントのホントに部活最後だから、何か言ってあげて下さい。」

と押しやった。



宇都宮は

「そうか?じゃあ頼むな。」

と皆の所に戻っていく。



再びその場には、先生と私、二人になる。





「…ね、先生。」



私は背を向けたまま先生を呼び、それからふわりと振り返った。



「一番派手なの最後にしよ!」



先生に満面の笑みを向ける。

振り返りざま、ポニーテールがくるんと振れた。



「どれが派手か分かんなくない?

…ここに時間は書いてあるから、長めなのを後に集めて一斉に火付けたら盛り上がるかな?」



と先生が答える。

冷静な意見だけれど、その声はとても高揚して聞こえた。



それから私と先生はどうしたら派手な演出になるか
ああでもないこうでもないと話し合いながら花火を並べ替えたりした。



「南条、それこっち頂戴!」



暗がりの中、仄かな蝋燭の灯りだけに照らされた先生がこちらに手を伸ばす。

僅かな灯りの中でも分かる。

私が先生に出会ってから今まで見た中で一番楽しそうな笑顔なのが。



流れる汗もそのままに瞳を輝かせる先生の屈託ない様は、本当に「少年」そのものだった。
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