星降る空で抱きしめて【上】~女子校英語教師と生徒の恋の場合
「南条さ、」

「は、はいっ!」



呼ばれただけで鼓動が激しくなる。

にもかかわらず、知ってか知らずか先生の言った言葉は…



「南条って彼氏いるの?」



(ええっ!)



なんでそんなこと聞くのー!?



「いっ、いない、ですよっ!」

「そうなんだ。」

「…」



先生の答えは思ったより素っ気ない。



「あっ、あの…」

「ん?」

「なんで…そんなこと、聞く、の?」

思い切って尋ねてみる。



先生がははっと笑い、私を見る。



「そのワンピース。」

「…え。」

「高校生の女の子がデートとかで着そうだなーと思って。」

「!」



み、見透かされてる…

すごい勢いで頬が熱を持つ。



「そんなことっ、ないです!普段着、普段着!塾にも着ていくしっ!」



思わず全力否定する。



先生はまた笑って、

「やっぱお嬢さん学校の子は違うなぁ。」

なんて言う。



本当は塾になんか着ないけれど…

とりあえずそれっぽく誤魔化せた、よね…?



私は真夏の陽射しのせいだけでなく熱い頬をそっと押さえた。
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