キミノテノヒラノウエ。
薫ちゃんはその後、私が迎えに玄関に出ると、

時折、キュッと抱き寄せ、私を怒らせたけど、

それ以上の事はしなかった。



薫ちゃんがチャイムを鳴らしても、

迎えに出なければそんな事にもならないんだけど、

私は薫ちゃんが帰ってくると、嬉しくて、

「チビスケ、開けて。」とインターフォンの画面で微笑む薫ちゃんを

つい、迎えに出て行ってしまう。

…学習効果がないのかもしれない。


とお昼に買ったおにぎりを食べながら考えていると、

隣にいたミサちゃんが

「聞いてる?明後日合コンだって。
ユリ先輩の仕切りだから、必ず、参加だよ。」

と4つ年上のファクトリーに勤める、先輩の名前を言った。

「最近彼氏に振られたらしいから、
合コンに力がはいってるよねえ。
私達って週末やすみじゃないからなあ。
出会いがあってもなかなか続かない。」と笑う。

「そうかな。」と首をかしげると、

「そうだよ!てまりは薫ちゃんと一緒に暮らしてるから、
安心しているんだろうけど、
デートもままならないって、大変なんだよ。」と力説し、

「でも、休みじゃなくても、ヨウスケは会いにきてくれるんだよねえ。」

とミサちゃんはのろけに入ったみたいだ。
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