キミノテノヒラノウエ。
病室のドアをノックしてからそっとドアを開けて、中を見ると、

ベッドに座って点滴を受けている薫ちゃんが見えた。

ドアが開いたことに気付いた薫ちゃんと目が合う。

「薫ちゃん。」と名前を呼んだら、

我慢してた涙が溢れて、

病室に走って入って薫ちゃんに抱きついた。


「お。」と言って薫ちゃんは私を抱きとめ、

「てまり。ごめん。心配したか。」

「薫ちゃんに何かあったら…」

「何かあったら?」と耳元で囁き、私を抱きしめた腕に力が入る。

「イヤだああー!」とうわああんと声を出して泣くと、


「あー、泣かせちゃってー。」と後ろで笑った声が聞こえる。

「大袈裟に話したんじゃないのお?」

「随分と年下。」

「8歳下って言ってました。」


「犯罪か?」

「犯罪だろ。」

とざわざわ笑った話し声が聞こえた。

私がハッと顔を上げて、振り返ると、背後には白衣の集団がいる。

きっと薫ちゃんの先輩の外科のお医者さん達だ。

私は慌てて薫ちゃんから離れようとすると、薫ちゃんが私の手を掴んだ。

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