キミノテノヒラノウエ。
部屋に着くと薫ちゃんはソファにゴロリと寝転がって、

「家っていいな。」と私の顔を覗く。

「すぐにご飯の用意するね。」と薫ちゃんのそばに立って言うと、

「今日はピザでも取ろう。チビスケも病院に通って疲れただろうし、
俺は病院の健康的な飯からジャンクな飯を食べたい。」

と笑って、私の手を引っ張って、自分の上に寝かせて抱きしめる。

「かっ、薫ちゃん、お腹痛くないの?」と聞くと、

「うーん。まだ、抜糸してないから、
さすがにSEXは無理かな…。」と顔をしかめる。

「…馬鹿…」と私が薫ちゃんの顔を睨むと、

「チビスケは覚悟できてる?」

私が真っ赤になって首を横にブンブン振ると、

「まだ、ダメ?」とくちづけを始める。

オトナのキスだ。

心臓がバクバク音をたてている。

薫ちゃんはなかなか私の唇を離さない。

何度も息を継ぎながら、舌を絡め、音をたてて唇を吸う。

「んっ」とか私の口から何度も声が漏れる。

恥ずかしい。

薫ちゃんはやっと唇を離したと思ったら、抱き合ったままで体を起こして一緒にソファーに向かい合って座り、

「チビスケ、少し俺を安心させてくれないかな。」と言って私を柔らかい瞳で見つめ、

「俺が好き?」と真面目な声で聞く。

私がうなずくと、

「キス…してくれる?」と微笑んだ。

私がどうしたらいいかわからず、固まると、

「ここ。とかここ。」と頬や、額を指差して目を閉じてしまう。

そ、それなら大丈夫かも…私がそっと頬に唇を付けると、

薫ちゃんは

「ここも。」と目を閉じたまま唇を指差すので、


私は何度かためらってから薫ちゃんの唇に唇をそっと重ねて離す。

「うーん。随分足りない気がするけど、合格にしておくかな。」とくすんと笑って私の頭を撫で、

「ピザ頼もうか。」と楽しそうに言った。







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