キミノテノヒラノウエ。
薫ちゃんはいつもの生活に戻り、

帰ってくると、玄関で、私をキュッと抱きしめ、額にキスをして
「ただいま。」と言い、

食事の後にコーヒーを飲んでいる時は私を隣に座らせ、
今日あったこととかを私に聞きながら、腕の中に入れ、
短くくちづけしたり、耳を甘噛みしたり、うなずいたりして過ごし、

私が部屋に戻る前には
深く抱きしめて、
長いくちづけをするようになった。

私が赤くなって

「おやすみなさい。」と言うと、

ぎゅっと抱きしめてから、
頭を撫でて部屋に戻っていった。


私はドキドキしてなかなか寝付けない。


薫ちゃんがいつものように、笑いかけてくれても、もう、それだけでドキドキして、

薫ちゃんが、ただのルームメイトじゃなくって、
自分が好きな人だと思うと、
うまく、喋れなくなったり、
つい、瞳をそらしてしまったりする。


でも、
薫ちゃんはそれ以上のことは求めて来なくて

…薫ちゃんは私の決心がつくのを待ってくれているようだ。

私はどうやって決心をつけたらいいのかわからない。

薫ちゃんのことが好きなのは

確かなんだって思うんだけど…。





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