嘘つきな婚約者
俺は、第二段階に進むことにした。
初めて、恵都の携帯に連絡をした。
「恵都さん?」
「はい、そうです。」
「木崎ですが、突然すみません。」
「いえ、大丈夫ですよ。何か現場でありましたか?」
「いや、仕事のことではなくて……」
「では、どういったことでしょうか?」
「あの、恵都さんは、バンドなどの音楽はお好きですか?」
「バンドと言うと、ジャズとかニューミュージックなどの?」
「そうです。実は、俺、趣味でバンドのドラムをやっていて、今度大学の時の仲間と4年振りに演奏することに……」
「びっくりです、ドラムをやっているなんて。」
「お恥ずかしいです。それで、是非、聴きに来てもらえたらと、お誘いの連絡です。」
「わかりました。是非行きます。日時と場所を教えてください。」
「6月11日、午後5時から、バルーンと言うライブハウスです。場所はチケットを渡す時、教えます。」
「お誘い、ありがとうございます。楽しみにしています。」