夫の優しさ、夫の強さ
離婚してください
【離婚】

彼も気がついているのだろう。

始めは、普通に話しかけてきてたが、この頃は、無口になり、必要なことしか話してこない。

夜も帰宅が、9時、10時、になった。


土曜日の今日、私は、正志さんに私の結論を話すことにした。




「正志さん、私にはこのままあなたと生活していくのは、無理です。もう、あなたと一緒にいられない。」

「うん、わかっていたよ。紗耶香の気持ちが、僕から離れていくのが。……本当にすまない。こんなに君を傷つけてしまった。」

「ごめんなさい。」

「それで、これから紗耶香は、具体的にどうしたい?当然、僕たちは離婚するんだよね。」

「はい、離婚してください。明日、実家に帰ります。両親に話をして、これからのことを相談して、正志さんに伝えますね。」

「わかった。明日は僕も一緒に行って話をするから。お詫びもしたいし。」

こんな時まで、優しく接してくれる正志さん。

そう言えば、大きな声を出されたことはなく、毎日穏やかに暮らせていた。

彼の優しい雰囲気が、大好きだったのに。
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