イケメンなんか大嫌い

梨花は、パーマをかけたロングヘアをいつもアレンジしていて、男ウケのわたしと違い、デザイン重視のファッションに身を包み、お洒落だ。
自分に似合うものがわかっている。

彼氏もあまり途切れることがなく、途切れたとしても何ら変化なく堂々としている。
親友ながら、かっこいいなと思う。自慢の友達。

そんな彼女の言うことは、あまり間違いがなく核心を突いている。

「……私、未麻が地味でも優しい人と付き合うようになったのは大人になったからかと思ってたけど、勘違いだったか」
「……どういうこと? イケメンに嫌気が差したからだよ」

「イケメンは嫌いなんじゃなくて、怖いんでしょー?」
「……」

……嫌いじゃなくて怖い!? そうなのか!?
梨花の鋭い意見に、心臓が一度大きく音を立てた。

両手で顔を抱えて思い巡らせ、眉間を寄せたわたしの様子に、隣でクスクスと笑みを零している。
そんな梨花の態度に嫌な予感がして、じっとりと見つめ返す。

「……あの……梨花こそ何か勘違いしてない?」
「してないと思うよー。俊弥くんに思い入れがあるんだなって」

「ない! ないからっ。あり得ないからっ」
「ムキになるのは、あるんでしょ」

「~~~~」

にっこりと微笑んだ彼女は涼しい顔で、運ばれて来たチーズライスコロッケにフォークを伸ばした。

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