熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
車は、走り出してすぐに止まった。

見慣れたロビー。

国を代表するインペリアルホテルの
豪華なロビーを、
見慣れただなんて身分不相応だけど。

ロビーのボーイに恭しく頭を下げられる。

「いらっしゃいませ、ファイサル殿下」
彼は、無表情に頷いた。

彼は、そのまままっすぐ進むと、
フロントでキーを受け取る。

そして、
ホテルの従業員にありがとうと声をかける。

「それからね、これから気を付けて欲しいんだけど。

私はもう、殿下じゃないよ。
これからは、普通にファイサルと呼んでくれ」
と声をかけた。

「はあ、さようでございますかファイサル殿下」

「ははは、急には無理かい?徐々にでいいよ」

どういうこと?

彼は、私の表情を
読み取ったように見えたけれども、
口には出さずに
さあ行こうかとせなかをおした。

「そうだ。美夜、
これからは貴賓室には泊まらないないからね。
そのかわり、タワー館の眺めのいい部屋にしたよ」

どこか様子が違う。

「ファイサル?何があったの?」

「まあ、急ぐなって。
ゆっくり話すよ。お酒でも飲みながらね」

「お酒?」

ますます、言ってることがおかしいじゃないの。
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