熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
すっかりなじんだ彼の腕の中で言う。

「旅行は、山形に行きたいんでしょう?」
「どうしてそれを?」

「お母様に報告に行きたいんでしょう?」
「やっぱり、美夜には敵わない」
彼はくすっと笑った。

彼は、母の故郷にも、
記念になるものを
何か建てようと思っているといった。

「何でもいいんだ。
故郷が見渡せる場所に、
何か記念になるものが建てられれば。

母は、ずっと故郷に
帰りたがっていたんだ。
立場上、それを口には出せなかったけど」

「ええ。それはいい考えね」

「ああ。山を見てみたい。
若い頃ずっと母が見ていた山なんだ」

「月山のこと?」
「ん、とってもきれいな山だって教えてくれた」

「お母様が?」

「そうだよ。
ビジャールの景色に日本と似た場所があると、
こうして手を合わせて拝んでいた。

だから、日本に留学しているうちに、
一度、祖父母のお墓参りに帰ろうって思ってたんだ」

「そうだったの」
「結局、帰れなかったけどね」

「見に行きましょう。近いうちに。二人でゆっくりとね」

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