熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
『王族じゃなくても、
彼は、ビジネスマンとして
国のために働けるわ。
母国のために仕事をすればいいし。今までのように……』
『ファイサルが
国王になるという前提で、
いろんなことが決められてきたんだ。
彼がいなければ何一つ回らない。
ファイサルの代わりは誰もできない。
頼む。時間がないんだ。
美夜。争ってる時間はない』
お互い、譲りあえないままにらみ合っていた。
鍵が開く音がして、ファイサルが帰って来た。
「誰かいるのか?」
ファイサルが日本語で聞いてきた。
応える前に、
ファイサルがムスタファに気が付いた。
『ファイサル?議会が拒否したよ。
ハーキムを第一王子にするのは、
議会の許可が下りなかったんだ。
この意味は分かるよな?』
ムスタファは、アラブ語に切り替えていた。
6年前の私と違って、
このくらいの中身なら私にも理解できる。
『わかった』
ファイサルは慎重に答える。
『国王の具合がよくない。
国王が倒れたら、
ビジャールに王がいなくなる。
悪いことは言わない。早く戻れ』