熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

ファイサルは、
私の心の動きを察知したのか、
私を腕に抱きながら言う。

『美夜、君って人は。なんて人だ。
ますます、惚れてしまうじゃないか』

彼は伏し目がちにうつむいて言った。

『美夜先輩。あなたがまだ、
私のこと、それほど思って
くれてないのは知ってます。

でも、すでにあなたは私のものです』

魅惑的な瞳。

彼の言葉が、とんでもなくて、
訳が分からなくても、信じてしまいそう。


『違うわ、ファイサル。
私も、同じように、
あなたのものだって思わなければ、
あなた自由にはならない』

ファイサルは、手や指。
いろんなところにキスをしてくる。

そのたびに私の顔を見つめる。
面白そうな、好奇心たっぷりの目をして。

『そうかな?』

彼は、静かに言う。

『気の荒い馬も、
鋭い口ばしをもった鷹も、
強いほど気性が激しく、
最初は、私に抗おうする。

でも、狩りの醍醐味っていうのは、
そういう気性のものを屈服させて、
私の思い通りに行動させること。

そういうことにもあるんですよ』

『もしかして、
あなたは私のこということを
聞かない鷹だと思ってるの?』

『可愛い美夜。池山では、
あなたの相手にはれないよって
言いたいんだ。

彼は、あなたを持て余すだけ。
やっぱり、あなたの生涯の伴侶は私だ。

私は、あなたを手なずけて、
私の思う通りにの理想の妻になるのです』

『ファイサル、だから、
ふざけるのは止めて』

真面目な顔して、
ふざけたことを言われると、
変な気分になってくる。

『ふざけてなんていない。
私は大真面目だよ。

これから少しずつ分かってもらう。
私が本気であなたを取りに行くことをね。

私の話は、これで終わりです。
さあ、あなたのお友達は、
きっと心配してるでしょう。

隣の部屋で待ってるはずだよ。
行ってあげて』

『あなたもね。
すぐに、本当のお友達ができるといいわね』

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