愛され系男子のあざとい誘惑
『あ、あの・・・』


『はい。ベッドに入ったからゆっくり寝るんだよ』


『えっ?』


『優美ちゃん、仕事終わりに来てくれたんでしょ?かなり酔ってるし、体も疲れているだろうから今日はここでゆっくりしてよ』


えっ?と戸惑う私に微笑んだ社長は、私の頭を優しく撫でて、そう言うとすぐに部屋を出て行こうとした。『待ってください』と慌てて呼び止めると『ごめん。俺に時間をちょうだい』と言って出て行ってしまった。


あの手紙は私が寝た後に再び社長が戻って来て書き置きしてくれたんだと思う。


『俺に時間をちょうだい』その意味はわからないけれどもう私から社長に会いにはいけない。あんな醜態を晒した上にどんな顔をして会えばいいのかもわからない。


やれるだけのことはやった。後私がするのは迷惑を掛けたバーに昨日の代金を払って謝罪することとここまで背中を押して協力してくれた京香にお礼をすること。だったはずなのに・・・。

「ここのコーヒーって美味しいのよね」


なぜか私は謝罪に向かったバーの総支配人で、社長と一緒にいた女性、もとい彼のお姉さんと2階のコーヒーショップにいた。
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