愛され系男子のあざとい誘惑
エレベーターを降りるとバーがある。そしてその先は長い長い廊下が続いていた。そこまでは知っている。

でも社長は楽しそうにその廊下をどんどんと突き進んでいった。この廊下の先に何かがあるの?


「こ、こんなところがあったんですね」


そう、この長い廊下の先にこんな隠し扉があるなんて誰が思うだろう。廊下の先には重厚な扉があってオートロック式になっていた。そこに社長が鍵を差し込むと開いた。


目を大きく瞬きさせている私に「どうぞ」と促す社長。その扉の中に入るとさっき見たものと同じエレベーターが2機並んでいた。こんなところにエレベーターがあるなんて。


驚きの連続で声も出ない。呆然と開いたエレベーターを見つめ、立ち尽くす私の腕を引き、社長はエレベーターに乗り込んだ。


ちゃんとあった、52階のボタン。あっと言う間にエレベーターは到着した。


エレベーターを降りると、びっくりした。この間のホテルと同じ作りのフロアがあったから。思わず驚愕して叫びそうな私の口を片手で覆う社長。「ここでは静かにね」と言われ、コクコクと頷いた。
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