スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「私、ここの会社に行ってきます!」

十日なんて待っていられない。直談判して、なんとかしなくては……。じゃなきゃ、副社長たちの今までの時間は、なんだったの?

原田部長はかなり驚いたのか、珍しく動揺している。

「だけど広瀬、直談判というのは……。ヘタしたら、橘副社長や社長の顔に泥を塗ることになるぞ」

「でも、副社長たちは、ダイニングバーのオープンを、気合い入れてやられていたんですよ? 宣伝だってしてるのに、今さら延期は……」

絶対にできない。それに、こんないい加減なメーカーだとは思わなかったし、そこを選んだ私に責任がある。

あの小さなメーカーの社長は、期日に間に合わせてテーブルセットを納品してくれたーー。

「私の見る目のなさが原因ですから、私が行ってきます」

と、バッグを手に取り身を翻したとき、

「待って、広瀬さん。俺も行こう」

それまで黙って見守ってた副社長が、私を呼び止めた。ビックリして振り返ると、副社長は社長と原田部長になにか話したあと、私の側に来た。

「言ったろ? きみひとりに責任は負わせないと」

「で、でも……」

副社長は真剣な顔でそう言うと、私の手を取り足早に店を出た。
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