スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
なんだ、そんなことかと呆れてしまう。たしかに、橘副社長はイケメンで有名だ。
三十歳になったばかりの若い御曹司で、独身ということもあり、時々メディアでも取り上げられている。
私も写真で見たことがあるけど、甘いルックスだったことを記憶していた。
「興味ないし。きっと、性格の悪いお金持ちのお坊っちゃまよ」
素っ気なく言うと、優奈は声をひそめて私にイスを近づけた。
「そういう偏見はどうかと思う。実和子ってさ、色白で目は大きいし、女の子って雰囲気満載じゃない?」
「え? そうかな……」
そんな風に言われたのは初めてで、どこか照れくさい。だけどそんな私にお構いなしに、優奈は続けた。
「うん、絶対そうだよ。ゆるく巻いた栗色の髪とか、男ウケ良さそうだし。少しは、副社長とお近づきになれるかも……とか考えたら?」
「結局それ? そんなことには興味ないの。それより、事前準備が忙しいから」
お近づきになんてなれる相手じゃないし、なりたいわけでもない。優奈は、仕事に真面目で一生懸命なタイプだけど、時々ミーハーな部分が出てくるから困る。
フイッと彼女から顔をそらすと、仕事を再開した。優奈はつまらなさそうな表情をしていたけれど、話に乗る気になれない。
それより、橘グループとの仕事は、他より緊張する。部長はああ言ってたけれど、やっぱりこの仕事が成功するかどうかは大きい。
クライアントからいい評価をもらえれば、リピートに繋がるかもしれないのだから。副社長に、気をまわしてる場合じゃない。
三十歳になったばかりの若い御曹司で、独身ということもあり、時々メディアでも取り上げられている。
私も写真で見たことがあるけど、甘いルックスだったことを記憶していた。
「興味ないし。きっと、性格の悪いお金持ちのお坊っちゃまよ」
素っ気なく言うと、優奈は声をひそめて私にイスを近づけた。
「そういう偏見はどうかと思う。実和子ってさ、色白で目は大きいし、女の子って雰囲気満載じゃない?」
「え? そうかな……」
そんな風に言われたのは初めてで、どこか照れくさい。だけどそんな私にお構いなしに、優奈は続けた。
「うん、絶対そうだよ。ゆるく巻いた栗色の髪とか、男ウケ良さそうだし。少しは、副社長とお近づきになれるかも……とか考えたら?」
「結局それ? そんなことには興味ないの。それより、事前準備が忙しいから」
お近づきになんてなれる相手じゃないし、なりたいわけでもない。優奈は、仕事に真面目で一生懸命なタイプだけど、時々ミーハーな部分が出てくるから困る。
フイッと彼女から顔をそらすと、仕事を再開した。優奈はつまらなさそうな表情をしていたけれど、話に乗る気になれない。
それより、橘グループとの仕事は、他より緊張する。部長はああ言ってたけれど、やっぱりこの仕事が成功するかどうかは大きい。
クライアントからいい評価をもらえれば、リピートに繋がるかもしれないのだから。副社長に、気をまわしてる場合じゃない。