スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「ボーッとしてるじゃん。どうしたんだよ」

「だって、奥様とか呼ばれるし、亮平さんのことは素敵なご主人とか言われるし、ちょっと夢見てました」

パックをカゴに入れながら、私は亮平さんにぎこちない笑顔を向けた。

「夢って?」

「それは……。内緒です」

口に出すのが気恥ずかしくて、誤魔化しながらレジへ向かう。亮平さんも、それ以上話を深堀りすることはなくついてきた。

「俺も夢見たな。もし、本当に実和子が奥さんなら、どんな感じかなって。楽しそうだなとか。実和子の見た夢と同じ?」

背中越しに言われ、ドキドキする気持ちが増してくる。亮平さんの顔がまともに見られないくらい、意識していた。

レジに並んで、前を向いたまま小さく頷く。亮平さんに背中を向けているから、彼の表情は分からない。

だけど、優しい声が聞こえてきて、ますます胸は高鳴った。

「俺はいつか、そうなりたいって思ってるよ」
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