スパダリ副社長の溺愛がとまりません!
「ここのマンションでは、それはない。二年前、ニューヨークにいた頃までは、何人か付き合った女性はいた」

「はい……」

表情が強張る私に、亮平さんは小さく微笑んだ。

「だけど、誰かを忘れられないとか、そういう未練のある過去はない。むしろ、初めてなんだ。こんな風にのめり込む恋をしたのは」

「えっ……?」

亮平さんの言葉に、私の心は一気にざわつく。

「今まで付き合った女性は、皆どこか俺に寄りかかっていた。それも最初は可愛いと思っていたけど、気持ちは長続きしないんだよな」

「寄りかかる……?」

「そう。依存するような感じだ。だから、ふたりでいても、仕事のことを考えたり、早くデートを切り上げたいと思ったり……。最低だろ?」

苦笑する亮平さんに、私は首を横に振った。その気持ちは理解できなくはない。

これだけステータスのある人と付き合えば、元カノたちも、亮平さんに夢中だったのだろうから。

それが亮平さんには、魅力的に映らなかったということだ。

「でも実和子は違う。一生懸命仕事に打ち込むし、ふたりきりでもインテリアに目がいったり、俺から強引にキスをしないと、甘い雰囲気も作ってくれない」

「ごめなさい……」

それを言われると耳が痛い。たしかに、今日一日そんな感じだった。すると、亮平さんはクックと笑った。

「責めてるんじゃないよ。そういう実和子が好きってこと。誰かを追いかけてる自分は、初めてだったから」

亮平さんを追いかけさせようとか、そんなつもりではなかったけれど、私自身を受け止めてくれているみたいで素直に嬉しい。

「ただ、少し不安があるんだよな」
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