いつも、雨
医師を送り届けてから、手配した葬儀社の到着を待つべく、再び2人の亡骸のもとへと車を走らせる。


これで、あとは、淡々と葬儀を進めることができるだろう。



故人のかっての社会的地位や貢献に相応しい華やかな葬儀をすることはできないが……。




……そんなもの、望んではらへん……か。


2人の願いは、ただ、一緒にいること。


生きてる間も、死んでからも、ずっと一緒にいること。


そのための準備は、ちゃんとできている。




わかってますよ。

お父さん。


……どうか……安らかに……。



願わくば、お父さんも、おばさまも……先に逝ったお母さんも、まだお元気な一夫さんも……誰もが、穏やかな時を過ごせるように……。


残された俺達が踏ん張るから。


不肖の息子だけど、頑張るから。








山に戻る頃には、穏やかな雨に雪が溶け始めていた。


雨は山あいのこの付近だけらしく、天から陽もさしているようだ。


きらきらきらきら……。


……美しい、朝だな……。



これなら、自ら命を絶ったお父さんも、暗闇を彷徨うことなく……成仏できるといいな。



いや。


何も心配いらないか。



年老いても、あの、お父さんだ。


死に神も買収するだろう。


地獄の閻魔さまだって懐柔してしまうに違いない。




大丈夫。



大丈夫。



大丈夫。



……お父さん……。






どうか……どうか、安らかに……。






(了)

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