サクラチル
「やっと言ったね。



ほら、きなよ。」



そう満足げに笑った。



その言葉を最後に彼の胸の中に包まれる。



雨に濡れているはずなのに彼の腕の中は不思議と温かい。



「あの日、あの時会う約束をしていなかったら彼は今も私の隣にいたのかな?



彼と出会わなければ、こんな思いしなくてすんだ?



彼と会わなければ、彼は痛い思いしなくてすんだ?



分からない。



もう、分からない。



どんな顔をして次、会えばいいのかも



彼がいない日をどう過ごせばいいのかも。」



恭ちゃんの胸の中で沢山の涙を流す。
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