満月の夜に
- レン side -





満月の夜。

久しぶりに街へ出て、
人間に紛れて何食わぬ顔で歩いていると。





「 キャァァァァァ 」


人間の叫び声が聞こえたのと同時に
美味しそうな血の臭いが鼻を掠めた。


単なる興味本位で近づくと、
そこには血を流して倒れている少女がいた。





その子から一歩距離を置く人間達を差し置いて
何のためらいもなく彼女に触れる。


そっと血を舐めると、
ぞくぞくして彼女の全てが欲しくなった。






「 おい!何してる! 」


そんな人間の声も無視して
俺は、自分のマントに彼女を包み込んで
その場から、消えた。



彼女は、俺が自分で見つけた初めての
‘‘獲物” だった__________。
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