君の声が、僕を呼ぶまで
「おはよう、小春。サラもおはよう」

いつものように、お母さんはサラにも挨拶をする。

もちろん、サラの言葉は、お母さんに通じない。



「いいなぁ、お母さんも小春みたいに、サラとお喋りしたいなぁ」

パンを頬張っている私の向かいに座って、頬杖をついて溜息をつく。

「ねー、お父さん」


「そうだねぇ、小春とどんな話をしてるのか、聞いてみたいもんだね」

お母さんの隣で新聞を読んでいたお父さんも、顔を上げて静かに笑う。
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