君の声が、僕を呼ぶまで
それを言われると、キツイな…。

あの頃の俺は、沙羅に会える部活が楽しみで、なかなか華と一緒に帰ってやらなかった。

その最中に、華は発作を起こして倒れ、入院した。


昔から身体が弱く、入退院を繰り返している華。

でも、その頻度が減っていたので、俺も周りも、当の本人さえも油断していた矢先の事だった。

久しぶりの入院は思いのほか長引いて、あともう少しで2年が終わるという時に華は、そのほとんどを病院で過ごし、結果、留年せざるを得なかった。


華が復学出来るのは素直に嬉しい。

でも、俺はその間に沙羅に一目惚れして、ついに…ようやくほんと最近、想いの丈を伝える事が出来た。

ぶつけた、という方が正しいんだけど。

…今でも、思い出すと我ながら…と赤面してしまう。

俺の隣を歩く沙羅は、ぎこちなく、俺よりもっと顔を赤くしている。


今は、その隙間を埋める事が大事な時期だと思っているんだけど…。
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