君の声が、僕を呼ぶまで
小学校はそれなりに楽しかったなぁ。

1年生になってすぐの頃だったかな、体育の授業で、手つなぎ鬼をした。

鬼は2人一ペアで、手を繋いで、逃げる子達を追いかける。

タッチして捕まえた子も鬼になり、手を繋ぐ。

そうやって、最初は2人きりで手を繋いでいだ鬼は、やがて、鎖のように一本の友達の輪になる。


その頃は比較的、調子は悪くなくて、軽い運動なら体育にも参加していた。

神経質になっていたのは、先生や、周りの子達。

「山崎さんに、無理させちゃダメだよ」

って、担任の先生が、常から皆に言い聞かせてたから。

別に、それを恨んだ事はない。

だって、倒れてきつい想いをする事の方がイヤだったもん。
< 173 / 389 >

この作品をシェア

pagetop