君の声が、僕を呼ぶまで

●桜と、雪と、遠い青空

「いらっしゃい、雪人君」

「お久しぶりです、お姉さん」

玄関で、雪兄ぃが満面の笑みで言った。

「もぉ、お姉さんだなんて、相変わらず上手なんだから~。そんなお世辞言ったって、もう今更お年玉あげないんだからね?」

「じゃあ、梅子おばさん」

「桜子、それ捨ててきなさい」

「わぁ、嘘です嘘です!」


「いい年した大人2人が何やってんだか…」

すごく、質の低い漫才を見せられた気がする。


「おばさんの手料理、楽しみに来たんだから」

雪兄ぃが、食卓の椅子に座りながら言った。

「うちに食べに来るの、久しぶりよねー」

「んー、そうかも」

「お仕事、どう? 忙しい?」

お母さんが、ご飯をよそったお茶碗を渡しながら聞く。
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