君の声が、僕を呼ぶまで
「それなりに。でも楽しいよ」

「桜子は、ちゃんとやってる?」

「お母さん、余計な質問しないでよ」

私は軽く睨みながら、制止をかけようとした。


「どうだろ? 桜子は元気すぎて、保健室にはあんまり来てくれないからなぁ」

煮物を食べながら、雪兄ぃが言う。

「この子、元気だけが取り柄だものねぇ」

「あぁ、でもこの間は、顔真っ赤にしてたっけ」

「…っ!!」

私の箸が止まる。


「あら、珍しい。熱でもあったの?」

「そういえば、“その後、どう?”」

隣に座っている雪兄ぃが、私の顔を覗き込むように聞いた。

「わ…たしっ、もうご飯いらない!」

そう言って立ち上がったが、雪兄ぃに手を掴まれる。

「…!?」

「桜子の大好きなシュークリーム買ってきたから、あとで部屋に持ってってあげる」

ニッコリ笑って言う。

「あら、良かったわねぇ」


…全然よくない、お母さんのバカ…
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