君の声が、僕を呼ぶまで
雪人先生を見る。

「本当に、小春ちゃんは、ビックリするくらい頑張ってると思うよ」

柔らかい笑顔で言う。


出逢った時から変わらない、その柔らかい笑顔が好き。

大好き。


藁をも縋る想いで来た高校で、出逢ったのは、藁だなんてとんでもない。

真綿みたいな人。

ふわふわと、包んでくれた。


人が怖くても、自分のクラスに行けなくても、ここに居場所をくれた。

いつも、ただ、そこにいた。

だから、学校に来る事だけは、出来た。

だから、皆に出逢えて、私は私の世界を広げる事が出来た。


いつも見守ってくれている、その、お父さんやお母さんのような優しさが大好き。

きっと、ずっと、大好き。
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