君の声が、僕を呼ぶまで
「はーい、じゃあ、新入部員は横一列に並んでー」

どういう順番で並ぼうか、お互いに手さぐりで譲り合っている。

初々しい。

まぁ、いうほど、人数はいないんだけど。


「俺は、この軟式テニス部の部長の冬島陽太、よろしくな」

「よろしくお願いします!」

それでも体育会系らしい、元気な挨拶が返ってきた。


…この辺鄙な場所に追いやられた砂利コートだなんて、思いもしなかっただろうな。

期待に胸を膨らませて来ただろうに、可哀想だ。
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