笑え、オリオン座
第3章 事件

「彩月、さーつーき!」 
「あ、ごめん、なに?」
今日もいつものように佳奈と二人で駅へと向かっている。
ボーッとしていたようで、佳奈は頬を膨らませながらこっちを見つめている。
本人は睨んでいるつもりかもしれないけど、佳奈の可愛らしい顔立ちと身長の低さからどうみても睨んでいるようには見えなかった。
「どしたの彩月、最近、心ここにあらずってやつになってるよ?」
「大丈夫だよ」
いつもは私が佳奈を心配する側なのに、逆に心配される。
いつもと違うからかなんだか変な気分になった。
「見て彩月!星が綺麗だよ!」
佳奈の方を見てみると、夜空を指差している。
「彩月、いつも空見てるでしょ??」
嬉しそうに私に笑いかけてくれる佳奈。
ーー確かに、空は好きだけど。
それにつられて、私も笑みを浮かべる。
「彩月笑ったー!彩月は笑顔が似合うよ!」
無邪気に笑う佳奈を見ていると、なんだか嬉しくなった。
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