湖都子のポエム6

ひらり……幸せがふってきた

不安になったら
抱き締めて離さない

素直で優しくて憎めない人

今日まで一度も気にしたことなかったのに
忘れないでいてくれた
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美緒の兄和人

両親の離婚から、たまにしか会うことのなかった美緒から連絡がきた。父親の浮気が原因で離婚した。社長をしているから、跡取りが必要だからって理由で、母さんと一緒に暮らせなかった。けど、母さんが事故で亡くなるまではたまに会っていた。それがすごく嬉しかった。おばあちゃんと2人で暮らし始めた美緒とは、会っていなかった。

会っていなかった間に色々あったんだな。おばあちゃんも亡くなり、1人になってしまった美緒。

「あの人といるのが苦しいなら、いつでもおいで。」
「ありがとう。和くん……」
離婚してからは、お兄ちゃんとは呼ばなくなった美緒
「離れてても、俺は美緒の兄貴なんだから……頼りなよ」
本当は、すげぇ会いたかった。ずっと抱き締めたくてしようがなかった。その想いを込めて、ギュッと抱き締めた。

家を出て、独り暮らしをしていてよかった。

朝、アラームが鳴る前に美緒が起こしにきた。
「和くん、朝ごはんできたよ。」
今までは、朝はコーヒーだけだったけど、2人で食べるご飯は美味しかった。

夜は、毎日会社の人や友達とご飯を食べに行っていたけれど、仕事が終わってから、美緒に電話して家に帰った。
「お帰り、和くん。ご飯できてるよ。」
こんな家庭的なの……随分……忘れてたな……仕事の疲れも癒される。一緒にいるだけで……家族って、やっぱりいいな

ずっと、一緒に暮らせたらいいな……
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