PromiseRing
もう一つの指環を私に渡すと、右手を差し出してくる。
黙って私がその薬指に指環をはめると、嬉しそうに笑った。

「これで俺は夕海のものだ。
……だから心配しなくていい」

抱き寄せられて、誓いのキスだって唇が重なる。
そんなことが嬉しいと思っていながら。
どこかで、……きっとすぐにこんな指環、外してしまう日が来るんだろうな。
そんなことを考えて、胸がずきりと痛んだ。

 
「この指環はもう、必要ない」

成紀の手が私の右手の薬指から指環を抜き取る。

……そっか。
もうこの指環、必要ないんだ。

いつかこんな日が来るんだろうと思ってた。
この指環をつけ始めて二年。
意外と長く保った、っていうか。

最近、成紀の様子がおかしくて、もしかしたらって覚悟はしてた。

急に増えた接待。
ときどきにおう、成紀のものとは違う香水。
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