私のご主人様Ⅱ

「若、琴音ちゃん」

「琴音、大丈夫か」

屋敷につくと、いつもなら玄関で待ってくれている奏多さんと暁くんが門の前で待っていてくれていた。

門の前に横付けされた車から私だけが降ろされて、すぐに奏多さんと暁くんに手を捕まれる。

「奏多、親父さんに全員戻すように伝えといて。どうしても出なきゃいけねぇ奴は単独で動かないように伝達」

「分かりました。若と伸洋さんは」

「ちょっと泳いで捕まるか探る。すぐに戻るから、大広間に集めといて」

「はい」

助手席側の窓を下ろして奏多さんと話す伸洋さん。

その会話は緊張感をまとったもので、さっきのことと関係しているのは明らかだった。

そして、今さら思う。こんな、組に関わる話を目の前でされるのが初めてなことに。

今までずっと、そういう話を目の前で聞かなかったのは、それだけ奏多さんと暁くんが気を配ってくれているからだったんだ。

2人の気遣いに気づくのが遅くて、少しだけ悔しかった。
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