旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~



大きな通りに出てタクシーを拾い、ガーデンタワー東京を目指す。

そしてタクシーに10分ほど揺られ、私はそのホテルの前でタクシーを降りた。



とりあえずフロントの人に声かけて、玲央さんを呼んでもらおうかな。

どう見ても宿泊客ではない女がひとりでここにいると怪しまれそうだし……。



そう思い、自動ドアを通り左手側にあるフロントへはいる。

白を基調としたカウンターに、フチや飾りなど所々にゴールドの装飾がアクセントになったフロント。

普段はそのままレストランに向かうから、フロントに行くのは慣れていなくて、少し緊張してしまう。



息をひとつ吸い込んで、フロントに立つ女性へ声をかけた。



「あの、すみません。玲央さん……立花社長はいらっしゃいますか?忘れ物を届けに来たのですが」

「はい、少々お待ちください」



黒いジャケットに首元には赤いスカーフをつけた女性は、にこりと笑顔を見せ、受話器を手にどこかへ電話をかける。

そして小さな声で少し会話をして、そっと受話器を置いた。



「お待たせしております。立花の方がただ今参りますので、こちらで少々お待ちください」

「わかりました」



彼女にぺこ、と頭を下げると、私はフロントから歩き出す。



イスに座って待っていてもいいけど、せっかくだしちょっと辺りを見てみようかな。

いつもはビュッフェしか見えなくて景観を楽しむ余裕なんてないし……。



いつもここに来るたび食べることばかり考えている自分に呆れながら、ガラス張りのロビーから見える洋風造りの庭を見つめた。




< 66 / 227 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop