旦那様と契約結婚!?~イケメン御曹司に拾われました~
「わっ……わーーー!!」
状況を理解すると同時に一気に恥ずかしくなってしまい、ボッと顔が熱くなる。
けれど、下敷きにしたままの彼はそんな私を見て「ブッ」とおかしそうに吹き出した。
「お前、照れすぎだろ。耳まで真っ赤」
「だ、だって……」
「男に慣れてないの、悪わかりだな」
な!?
確かにそうだけど……なんて失礼な言い方!
押し倒した距離に対してと、言い当てられたことに対して、恥ずかしさにさらに頬が熱を増す。
「わ、悪かったですね!どうせ慣れてませんよ!」
拗ねるように顔を背けると、その指先はくいっと私の顎を軽く押し、顔の向きを正面に戻す。
目の前の顔は、ふっと楽しげな笑みを浮かべて。
「別に悪いとは言ってないだろ。初々しいほうが、美味そうだしな」
「へ!!?」
う、美味そう!?
それって、その意味って……と考えて頭に浮かんだ想像に、真っ赤な顔のまま私はバッと体を起こし立ち上がり、玲央さんから距離をとった。
すると、次の瞬間彼からは濡れたTシャツが飛んできて、それは私の顔面にべしゃっとぶつかり芝生に落ちる。