君が嫌い
『つ、つつつ付き合う!?付き合うってことは将来は子供も……。ねぇねぇ子供は……』


興奮した様子で吉孝の方へグイグイと近付いていく姉ちゃん。


姉ちゃんの勢いに尻込みして助けを求める視線を送ってくる。


『お前の一言で姉ちゃんがおかしな言動してるんだから自分でどうにかしろよ。』


『う、嘘だろ……。俺は最初から冗談で言ったつもりなのに。』


『ちょっと冗談って酷くない?やま君は私をからかって言ってたってわけ?』


『い、いやー冗談……で済みませんよね孕ったりしたら。だから早く結婚出来るといいですね!』


『もー結婚なんてまだ早いわよー。』


ベチンッ!


『あ、あははは……』


頬を押さえて涙目で俺に何かを訴えているが無視しよう。


『う、美味い。』


姉ちゃんと吉孝のやり取りを無視して1人酒を嗜むもう1人の親友。


『悠太は今年1年どんな年だった?』


『美味い、うまい、うめぇ。梅酒だけに……。ププッ!……ん?何か言った?』


ああ、そういえば今年はギャグに生きていく年だった。


悠太は毎年自分に枷をつける。
彼曰くそれを乗り越えた時、去年の自分より強くなった事を証明出来るらしい。

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