ｔｏｏ ｍｕｃｈ

（あぁ、良かった…）



会社には、なんとか遅刻せず、いつも通りの時間に着いた。
ロッカーで着替えて、持ち場に向かう。



「おはよう！」

すでに席に着いていたあゆに、いつも通りの挨拶をした。
心の中は、全然いつも通りじゃなかったけど…



「おはよう！」

島本さんのことがあるから、後ろめたくて、あゆの顔がまともに見られない。
でも、今日は普段通りにするってことだったから、私は無理に微笑んだ。



「今日はすっきり起きれた？
私…まだ疲れが残ってるみたいだよ。
いやだなぁ…もう年なのかなぁ…」

「わ、私もだよ。
もう年なのかもしれないね。」

なんだかうまく笑えない。
あゆに気付かれないかと、内心ひやひやしてしまう。



「あれ？美穂…なんか、くまが出来てない？
もしかして、昨夜、眠れなかったの？」

「えっ！？そ、そうなんだ。
疲れすぎたのか、なかなか寝付けなくて…そ、それでワイン飲んでみたんだけど、それでもなかなか寝付けなくて…」

「あぁ…私もたまにあるよ。
眠れないのは辛いよね。
私は家に帰ってお風呂入ったら、すぐに寝ちゃったけどね。」

「そ、そうなんだ…」

私は引きつりながらも無理して笑った。