ｔｏｏ ｍｕｃｈ

「あ…あの…私…もう少し考えてみます。」

「え…？」

「考えてみれば、今すぐに答えを出さなきゃいけないってわけでもないと思うんです。
それに大事なことですし、すぐに答えを出すのもどうかなって…」



私は自分の言ったことに呆れた。
どうしたら良いの？って詰め寄ったのは私なのに、突然手のひらを反すようなことを言って…
あぁ、恥ずかしい…
私、一体、何を言ってるんだろう？



「それはそうかもしれませんが、その間はあゆさんを騙すことになります。
それが辛くはありませんか？」



そうだよね…
だからこそ、私はさっきどうすれば良いのか？って訊いたんだよ…
なのに、島本さんと別れたくないからって、もう少し考えるなんて言って…



（でも…やっぱり、私は島本さんと別れたくない…！）



「辛いです。
でも…考えてみたいんです。」

私にはそう言うしかなかった。



もしかしたら、私はすでに島本さんを選んでしまっているのかもしれない。
でも、そう言いきれないのは私のずるさなのかも…



両方とも失いたくない。
そんな都合の良いことを考えている。



（そんなこと、出来るわけないのに…）